• 武田尋善

1997年 8/5〜7

8/5 プネー→ガンジャードガーオン

まず、なぜ海外旅行、そしてインド旅行初体験のおれがこんなところにいくのかとゆうことですが、 日本でワルリー族の壁画の展覧会があったときに、そのお手伝いをしたことがあって、そこでワルリーペインティングが大好きになって そしてアーティストのJivya Soma Maseさんとその息子のSadashiv Maseさんと仲良くなってました。 で、専門学校の卒業論文にワルリーの壁画を選び、先生に『インドに行くならワルリーの村に行ってくるべき!』と言われて、 当初、南インドのみを予定していた旅行がこっちの方にも来ることになっちゃいました。 でも、来てよかったーーーーー!!!!

『スワルゲート・バススタンドから 9:30発のダーヌー行きんもバスに 乗り、ガンジャードで降りる。 そして、4:15頃着く』 とゆう情報を頼りに、ワルリー族の人 がいる村に行く。 が! これはそんなに楽なものではなかった のだった… バスの車窓から見える景色はどんどん変わっていっておもしろかった。 プネーの町→草原、牧場→山→ターネーの町→たんぼ→山→森 すごい山の中を走っていく。 山のいたるところから滝が流れている。 現在は雨期で、雲が低いので道が霧で見えず、前が 見えなくてヒヤヒヤした。

道の脇には転倒した車がいたるところに… 平地では爆走していたバスも山道ではいっぱい いっぱいだった。 途中のバススタンドで昼飯代わりにゴマのお菓子を3つ食べた。Rs.5 でも、バススタンドの焼きとうもろこしは味がなくてまずかった~! 途中、険しい凸凹道で荷台の荷物が落っこちてきた。 前のおじさんがおちてきた荷物で頭をぶつけて、半ベソだった。 痛そう~。 荷物はちゃんと固定しようね! ようやくガンジャードに着いて、メモ帳を開いてアドレス を見ていたら、学校帰りの小学生達に 『それ、1キロくらい先まで歩かなきゃダメだ』 と言われる、いろんな人がそれぞれのアドバイスをしてい ると、バスの車掌が『乗れ』という。 で、席にもどろうとしたら、白髪のおっさんが怖い顔して 大声で怒鳴った。 『うわー!なんだなんだ!?なんて言ってるの!?』 と慌てていたら、怒鳴り声の中に『mase』という言葉が 聞こえた。 つまり、この人はおれがmaseさんの家に行きたいとか、 そうゆうことを言ったのを聞いて、 『なら、次で降りなさい』 というのを言いたかったんだろう。 は~。怖かった~。

…そして降りた。 さっきのことで『何だかトンデモナイところに来て しまった…帰れるのか???』 とビビッているのに、まわりには何もない… たんぼと山と、森と小川だけ… ホテルなんかぜったいにない!! どうすんだろう… ちなみに、バスには10時間乗ってました… 目の前から歩いてくる人が2.3人いたので尋ねてみた。 おれ「あのー、ぼく、日本からワルリーペインティングを見にきたんですけど」 村人「あー?ワルリー?」 おれ「あ、えーと、日本でmaseさんと、Sadashivさんと会って…」 村人「あ、Sadashiv!maseねー、あーあー。知ってるよ。」 と、彼はなんだか視点の会わない表情でおしえてくれた。 そういえば、もう1人もなんだかどこ見てるかわからない感じ、プネーのトライバル ミュージアムのガンジャードから来ているというおじさんもそうだった。 なんでだろう?なんでだろうー!? また心細くなる… 結局、向こうの方にやたら元気でよく笑うおばさんが道を知っているとゆうので、 連れていってもらった。 しばらく歩くと、他の家より立派なレンガの白い家が見えた! しかも壁のはワルリーペインティングが! すぐにmaseさんの家だとわかった。 ちなみに、ここの女の人は結婚するまではサリーは着ないらしい、それと、野良仕事をする ときもサリーは着ない。

庭にJivyaさんがいた。 何度か呼んで、やっと気付いてくれた。 ジヴヤさんはヒンディー語をあまり話せないので、なんとかジェスチャーでお話する。 来た目的を話すと、家の中から何枚かの絵を持ってきて、いろいろ説明してくれた。 「ぼくのこと、覚えてますか?」と聞いてみたら、 「覚えてる」と言った。良かった~! で、Sadashivさんは、今ボンベイに行っているとゆう。会えるかなー?心配。 家の中に動物がたくさん!外にはヤギも牛も。 mase邸! 屋根、壁は白、柱は土色。 壁のはワルリー画が描かれている。 電気はあるけど、日に2時間しかこないらしい。 水道、トイレなし。 暗くなったら寝る。 明るくなったら起きる。 トイレはひろーい野原。

Sadashivさんがボンベイから戻ってきた。 ぼくは彼のことをいつも『サダシさん』と呼んでいた。 手紙もなんにも出していなくて、連絡なしで来たのに、覚えてくれていて、しかも大歓迎してくれた。 玄関の椅子に座って、インドのことや日本のことや、いろいろなことを話していたら、外が暗くなってきた。 電気がないのでロウソクとランプの灯りをつける。 ちなみに、サダシさんは子供が4人いる。 みんなシャイで、遠くから見てる、で、話しかけると照れ笑いして隠れちゃう。 サダシさんも、ジブヤさんも日本で言う『昔の親父』ってかんじで、亭主関白!! 奥さんも子供たちもみんな、親父は偉い!と思ってる。 真っ暗な中で、たくさんの螢が光っていた。 この絵の何十、何百倍の螢が飛んでいた。 子供のころおばあちゃんの家でたくさんの螢を見た ことを思い出した。 螢のことをここでは『キンツァー』と呼ぶ。

家の中も真っ暗なので、ランプを囲んで夕御飯。 キノコのカレーとダールカレー。 これが感動的にうまかった! 気候とか植生が日本ににてるから日本人に合うのかな? うすぐらい明かりで色が分からないのでカレー色じゃない。 すると、やっぱりインド料理をひっくるめて日本風にカレーとゆうのはちょっと 乱暴かも!? と思ったりしたけど、名前も『カレー』じゃないから当たり前なんだけどね。 たくさんおかわりしちゃった! とくにキノコのカレー!シチューみたいな味だった。 ここでは家事は全て女の人の仕事。 おれがいると、奥さんがいちいち気を使ってくれて忙しくなるので、なんだか悪くなっちゃう。 そして、おれも気を使ってしまうー。 そんなに気を使わないでもいいですよー。 サダシさんからワルリーの神話や、昔の話を聞いた。 蛇の神話とか、虎の話とか、祭の話とか…おもしろかった!!!

8/6 ガンジャードガーオン

村には奇妙な形の山があった。 村に着いたときから気になってたこの山は女神マハーラクシュミーの山だという。 今日は、サダシさんに山の麓のマハーラクシュミー寺院に連れていってもらった。 マハーラクシュミー寺院で買った写真。

マハーラクシュミー女神は、ワルリーの壁画にもよく描かれる。 小さい寺院には鐘があって、お参りをした人が突いていく。 壁画には神話、生活、祭など、ワルリーの人達の世界が描かれる。 山から戻る途中の店でサダシさんとビールを飲んだ。 『カジュラホビールstrong』とゆうやつだった! カジュラホビールなので、ラベルはもちろんミトゥナ像。 ちょっとフラっときた。 しかし、これはただの序盤戦だった… サダシさんが「海を見にダーヌーへ行こう!」と言った。 『ええ!?こんな山の中から、海を見に行く??』 と思ったけど、ガンジャードからオートでちょっと行くと、すぐダーヌーの町についた。 ここは、わりと大きなバザールがあって、ガンジャードの人の買い物するところだった。 そして、ダーヌーには確かにアラビア海があった! 雨期のため、茶色く濁ってた。 で、寒いのに泳いでるやつがいた。 あ! これでインドの3つの海を全部みたー!!(でも、カニャークマリで3ついっぺんに見たか。)

ついにおれのことをネパール人だといって聞かない人まであらわれた! 「お前が日本人なわけないだろ!」だって。 ここのオートは凄い! 6人相乗りはあたりまえ! 8人乗ったときは驚いた! サダシさん曰く「10人乗るときもあるよ」 どうやって… 町でサダシさんの友達と会って、いっしょに御飯を食べにいった。 ここの飯屋のひともサダシさんの知り合いだとゆう。 「ここらへんの人はみんな友達だよ」うーん、有名人! そして、この店でもビール!! もう完全に出来上がってきたー! 歌っちゃうよー! 絡んじゃうよー! サダシさん歌うまいー! その後、オートで村に戻る途中の店でまた飲む。 そろそろサダシさん&フレンドも出来上がってきた! おれもうダメ~

かなり飲んで、サダシさんの友達の家にいった。 家の外壁にはガネーシャの壁画。 そして、中には結婚のときに皆で描いたとゆう大きな壁画があった。 そして、家の中では酒を作っているところだった。 マフアーとゆう花から作るお酒で、ここでしか作らないと 言っていた。 この装置でしばらく(2時間位)熱していると、筒から ビンの中に少しづつ酒が出てくる。蒸留酒だー! このお酒の名前は『ダル』といって、物凄く強い。 濁った透明な色で、少し焼酎に似ていたような感じ(曖昧) ビールでグラングランだったので、少しだけもらった。 ストレートだとキツイから、水で割って飲んだけど、 それでもカナリ!!

サダシさんの友達が、家の中で飼っているニワトリを突然つかまえた。 でっかい泣き声がした。 そして、これからニワトリを絞めると言うので、庭に出て見にいったら、大きな鎌みたいな刃物で、ニワトリの首を跳ねた! おれは、初めて見る光景にびっくりして、唖然と見ていた。 首のなくなったニワトリはしばらくの間、バタバタと跳ね回っていたが、やがて動かなくなった。 思ったより、ぜんぜん血が出なかった。 ニワトリを絞めたあと、笑顔でおれの顔みないでー!怖い!! その後、ニワトリの毛を一緒にむしった。 毛がなくなってくると、いつもスーパーで見る鶏肉になった。 で、サダシさんがさかさまにした鎌の柄を足で踏んで固定して、取り肉を前に押して切った。 インドの包丁は、こーゆう刃が自分に向いていて、食材を押して切るのがあって、見てるとコワイ。 で、それに香辛料を付けて炒めた。 初めて鶏を殺して解体するところを見た。と言ったら、サダシさんは驚いていた。 で、「君のお母さんも鶏をさばかないのかい?」といわれた。 インドでは、鶏をさばくのは普通で、日本人が魚をさばくのと同じような感覚なんだろうなー。 そして、改めて、食べ物を食べるとゆうことは、動物を殺しているってことなんだなー、と思った。 そして、これは忘れてはいけないことだと思った。 ちなみに、このニワトリ、めちゃくちゃうまかったです! で、かなり酔っぱらっていたので、ちょっと寝てしまった。ぐー。

やたらいろんな物を食ったり飲んだりしたので、出るものをだしに木陰にいく。 蚊がいっぱいくるのと、いつ人がくるのかが気になって、なかなか忙しいのだ。 トイレのときに、缶に水を入れてもらうんだけど、水をもらうのにもいちいちサダシさんが奥さんに『水もってこーい!!!!』 とゆうので、なんだか気がひけちゃう。 今日の晩ごはんは、タケノコ、オクラ、ニガウリ、椎茸などなどが入った山菜カレー! うまい!!日本人が絶対好きになる味! 山菜の煮物を御飯にかけて食べてるみたい。 チャパティーもあったかくて、おいしかった。 で、飯食べてるとき、鼻水が出て、子供達に笑われた。 最近寒いんだもーん! まさに、こんな感じでした。

8/7 ガンジャードガーオン→プネー

やっぱり二日酔いになっていた! 朝ごはんに、タケノコカレーとチャパティ3枚を食べた。 これおいしいなー。多分、ここでしか食べられない味。 そして、今日、ワルリーの村から帰るのだ。 もっと居てと言われたけど、ありがたいけどなんだか親切すぎて気をつかっちゃって… それで、今日、プネーに帰ります。

親切にしてくれてどうもありがとう! 本当にありがとう みんなのこと、絶対に忘れません いつか、またきます、さようなら! と、ヒンディー語でできる限りの感謝の気持ちを表して、マーシェさんの家を後にした。 サダシさん夫婦はバス亭まで見送ってくれるといって、一緒にきてくれた。

奥さんはバス亭までおれの荷物を運んでくれた。 重い荷物なので 「きつくないですか?」と聞いたら 「ぜんぜんだいじょうぶ!」と、笑顔で言っていた。 バランスいいなー! 朝、ちょうど通学タイムだったので、同じバスを待っていた小学生達に囲まれる。 最初は質問攻めにあって、次第に『日本語講座』 そして、歌を歌ったりして、おれのサイン&アドレス大会が終わったころにバスが来た。 なんだか有名人気分。 あと、みんなからチョコを二つもらった。

サダシさんからミティラー美術館あての手紙を預かった。 で、ヒンディー語かと思ったら、なんと全部マラティー語!! 日本に帰ったら先生に見せて訳してもらおう。おれはお手上げー! サダシさんが別れ際にミネラルウォーターをくれた。 そういえば、サダシさんが『インドで困ったことはあるかい?』 と言ったとき、『そんなにないけど、水道の水を飲んだらお腹壊すくらいかな』 っていっていたから… おれは「ありがとう、ありがとう!またいつか、必ず会いましょう!」 と言って、窓の外で、小さくなっていくサダシさんにずっと手を振っていた。 サダシさんはまた日本で展覧会をやるというから、意外と早く会えるかもしれない。 途中、学校の近くのバス亭について、子供達も降りていった。 1人1人に「バーイバーイ!」と手を振った。 学校にいったらみんなで覚えたての日本語を言ったりするんだろうなー。 そういえば、おれも小学校のころ、初めて外国人の人と話したとき、 クラスのみんなに自慢してたなー。 ハローしか言えなかったのに。 ガンジャードの牛はやたら元気で走り回って健康だった。 田舎には田舎の問題があるし、少数民族のおおきな問題もあるけど、 都会にはない良いところもいっぱいあるなー。 動物や人が元気なのはいいことだー!

映画やドラマなどでも、他んもことでもなかなか涙がでないのに、 ガンジャードガーオンの人たちと別れて、窓の外をみていたら、なんだか感極まって、すこし涙がでてきた。 なんともいえない気持ち… バスがプネーについたのは、夜の9時過ぎだった。


次はワールリー画とくしゅうです。

つぎにすすむ

0回の閲覧

Copyright Hiroyoshi Takeda. All Rights Reserved.

  • Facebookの社会的なアイコン
  • さえずり